GIGAスクール構想が前倒しになり、小学校ではPCやタブレットが1人1台配布されるようになりました。
そんな中、悲しいことに学校で配られたパソコンでいじめに発展した事件がありました。
お子さんが同じような目にあったり、知らずに他人を傷つける側になってしまわないか不安になる方も多いと思います。
学校の管理が十分ではなかった部分もあったと思いますが、管理や制限で全て対応するのが困難なのも事実。
そうした被害からわが子を守る一番の方法は、やはり「モラル教育」だと思います。
我が家でもPCやタブレットを使うようになり、使いながらルールやマナーを教えるようにしています。
ですが、こちらの想定を超える使い方をしてくる子供にハラハラすることもあり、試行錯誤しながら対応しているのが現実です……
みなさん、悩みは同じだと思います。
そこで、我が家ではこんな感じでやっていますというお話をご紹介して参ります。
我が家のPC&タブレット利用状況

我が家では、子どもたちが以下のことにPCやタブレットを使用しています。
なお、スマートフォンはまだ与えていません。
- Z会プログラミング講座でのアプリケーション利用
- 英会話(リップルキッズパーク)のSkype通話
- YouTubeの視聴
- Web検索
それぞれ標準機能で施せるペアレンタル・コントロールを付加しています。
基本ルールとしては、
- タブレットは親の目の届く範囲で使うこと
- YouTube視聴とWeb検索は1人1日30分まで
- 子ども用PCは使い終わったらログアウトとシャットダウン
と決めており、それぞれルールが破られた場合はルールの見直しを行うということにしています。
これらの環境のなかで、最もフリーな状態になっているのが夫のPCです。
夫のPCはバックグラウンドで自作プログラムを動かしていることもあり、常時起動されており、アカウントロックも忘れることが多くフリーな状態にあることが多いです。
一度、制限をかけたほうがいいのでは? と夫と議論になったのですが、子どもたちが目指す所は「制限がない状態でのモラルに則った正しい使用」なので使いながら教えるということになりました。
これだけは抑えたい! 4つのルール&マナー

さて、ルールやマナー、沢山ありすぎてどこから手を付けたものか迷いますよね。
我が家では、まずは法令に抵触する恐れのある4つを抑えるところから始めました。
- 他人のIDパスワード利用(なりすまし)の禁止
- 悪口を書き込んではいけない
- 写真やイラストを無断でコピー・公開してはいけない
- 自分や他人の個人情報を公開しない
それぞれ、不正アクセス禁止法違反、刑法の名誉毀損罪や侮辱罪、著作権法違反、肖像権の侵害とみなされる可能性があります。
1,2はまさに校内の事件につながってしまった禁止事項でした。
3,4は子供がやってしまいがちなことです。
漫画のキャラクターなどをネット上にアップしないように気をつけねばなりません。
もう一つ気をつけたいのが、個人情報の公開です。
自分の顔写真や年齢、お友達と一緒に写っている写真を無断で公開すると、個人に危険が及びますのでその辺りは注意しておきたいですね。
ちなみに、息子は他人のYouTube動画を、タブレットのカメラで撮りながら自分のナレーションを吹き込むということをしていました。
自分だけで楽しむ分にはよいですが、それを世の中に広めるのはいけません。
息子専用のSNSアカウントはありませんが、こうした二次創作的なものは「元の映像を作った人に無断で世の中に広めてはいけないよ、自分の中で楽しむだけにしなさい」と教えています。
もちろん、私たち親も、例えば子供のIDを勝手に使ってPCやスマートフォンを盗み見たりするのはNGです。
私も子供にPCの使い方や困ったことを聞く時は、子ども自身の操作してもらうようにしています。
親自身もルールを守り、子供との信頼関係を崩さないように注意したいですね。
子供に情報モラルを教えるのに助けになるツール
さて、情報モラルの何を教えるかを抑えたところで、次はどのように教えるかを考えていきましょう。
言葉でいったところでわからないですよね。
そうした時に我が家が助けてもらっているツールをご紹介します。
漫画「学校ではおしえてくれない大切なこと」シリーズ
まずは、コレ。
学校では教えてくれない大切なこと 12 ネットのルール“>「学校ではおしえてくれない大切なこと12 ネットのルール」です。
インターネットを利用する上で、小学生が落ちやすい落とし穴について、フルカラーの漫画で網羅的に説明されてあります。
主人公のマナブくんが失敗していく様を見ながら、知識として身につけていくことができます。
「もし炎上してしまったら?」
「もし詐欺にひっかかってしまったら?」
「もしコンピュータウイルスに感染してしまったら?」
といった、落とし穴に落ちてしまったときの対処法も書いてあり、親としても知りたい情報が書いてあるのがオススメポイントです。
NHK for Schoolの動画をケーススタディとして
もう一つ、ケーススタディとして使えるのがNHK for Schoolの動画「スマホ・リアル・ストーリー」です。
先にご紹介した 学校では教えてくれない大切なこと 12 ネットのルール
こちらの動画は事実を元に作られた動画で、「もしも〇〇してしまったら?」の先を映像で体感でき、親も子どももわかりやすいです。
学校の教材として使用されることも想定されており、息子は学校のスマホ安全教室で見たと言っていました。
ただ、ひたすらお金の請求がくるなど、恐怖に感じることが起きます。
話の先がわかっていた息子は「もう見たくない」と言っていましたので、怖いと思ったのでしょう。
ですので、親子で見るか、保護者の方が先に見た上でご判断いただくのがオススメです。
遊びながら 毎度白熱の「情報モラルかるた」
ルールやマナーを教えるときは、どうしても堅苦しくなりがちです。
ですので、遊びながら学べるものがほしいなと思って、「情報モラルかるた
その名の通り、読んで札取る「かるた」です。
九州にあるプログラミング及びICT(Information & Communication Technology)全般に関わるトータルスキルを学べる「ICTスクールNEL」が制作されたかるたで、実際に教材として使われているそうです。
我が家では、毎回白熱バトルが展開されます。
語呂がよいので子どもたちが覚えやすいのがポイント。
また、すべての漢字にルビが振られているので、低年齢の子でも読みやすいです。
絵札の裏には詳しい解説もあります。
「ねぇ聞いて スマホを置いて 私の話」
情報モラルかるた より
なんて、親が耳が痛い…… ことも。
また「ICTって何?」などと、情報技術に関する語彙が増えることにも繋がっています。
実践:子供用のデジタル教材を使いながら


ここまで、実際に機器を触らずにルールやマナーに触れてきました。
あとは「やってみる」ということが大事だと思います。
子ども用のデジタル教材であれば、適切な制限機能があり、ルールやマナーを教えてくれるものが多く、失敗しても取り返しのつかないことになるというリスクが少ないです。
我が家の場合、「ワンダーボックス」「スマイルゼミ」「Z会プログラミング講座」などがそれに当たります。
例えば、ワンダーボックスでは自身が制作した作品を公開する機能があります。
公開する際の注意点として、他人に見られたくないもの、傷つけるものは公開しないと警告が必ずされますので、そうしたところからルールを学んでいくことができます。
また、写真も個人情報が特定されないか、ワンダーボックスの運営会社でチェックしていただけますので安心です。
スマイルゼミでは、LINEのような親子間のコミュニケーションツールが準備されています。
メッセージを送ったりスタンプを押したり、コミュニケーションの作法を親子間で確認しながら学ぶことができます。
Z会プログラミング講座にも、自分が制作したロボットを公開する機能があります。
他の仲間が公開している作品にたいしてコメントをつけることもできますが、こちらもコメントがチェックされる仕組みになっており、誹謗中傷に値するようなコメントは表示されません。
こうした仕組みを活用しながら、リスクの小さい環境で、経験としてルールを学んで行くというのはオススメです。
まとめ:大事なことは親が子供の使い方に興味を持つこと


ここまで、我が家の経験も踏まえながらお伝えしてきました。
大事なのは、親が子供の情報機器の使い方に興味を持つことだと思います。
自宅にPCやタブレットがなくても、
「学校の授業ではどのように使っているの?」
「お友達どうしの会話で使ったりするの?」
「なにか困ったことがあったら教えてね」
と興味を持ってあげると、活用方法を教えてくれたり、使い方が心配なことを話してくれると思います。
そうしたところから、ルールやマナーについて親子で確認しあうのがいいのではないでしょうか?
私が子供の頃の情報機器といえば、「電話」くらいでした。
そして、親から電話のかけ方のマナーを教わりました。
電話も離し口の向こう側が見えないという点ではPCやインターネットと一緒であり、相手の気持ちを考えながら話をしたものです。
インターネットは知らない人ともつながれるツールですが、相手の気持ちを考えながらということは電話と変わらない部分だと思います。
私達、大人も相手の気持ちを考えた気持ちのよい使い方を子どもたちに見せてあげたいですね。
以上、「情報モラル」を家庭で教える際に使えるツールと我が家の実践例をご紹介しました。
皆様の参考になれば幸いです!